「ねぇ、あなたはどこに向かって歩いているの?」
「僕が行きたい所だよ」

「それはどこにあるの?」
「この箱庭の果て、そう最果てにあるんだ」

「箱庭だなんて!バカみたい!最果てなんてあるものですか」
「まるで世界の全てを見てきたような口ぶりだね」

「この世界が箱庭だなんて!」
「ああ、君。羊の数を数えるだけじゃ、いい夢は見れないんだよ」


2013-01-29

book 37+c、はじめます。


随分と時間が経ってしまった。
やろうやろう、作ろう作ろうと思いながら、「忙しくて」「バタバタして」と言い訳しながらじわりじわりと進めたりふらりふらりと飲んだくれてたら一年が経ってました。

自分で個人的なレーベルをやろうなんて事(私的にはとても大それた事)考えたこともなかった。ではなぜそれをやろうと思いついたのか?それはデジタルにどっぷり浸かった自分にとって「zine」という超アナログな存在がそれだけ衝撃だったからだ。

本とは、書籍とは、こういうもので「なければならない」・・・という概念を根底から返して、なおかつバカボンのパパよろしく「これでいいのだ」と言い切って誇らしげに笑っている。そう、「こういうやり方もあるのか」というよりも「ああ、これでいいのか!」と感じたのだ。まさにコペルニクス的転換。

アートユニットTriggerでアートブック『17+C』と『蜆楽奇譚帖』を作って、それぞれ二つのクリエイターイベント(「Creative Expo 2011 本の種を植える」「My Home Town わたしのマチオモイ帖」)にブチかましてた頃だ。たぶん2011年の秋頃だったか。で、何か参考にと大阪・中崎町のzineショップ「Books DANTALION」を訪ね、初めて「売り物」のzineに触れた。その統一感のない自由さが刺激的だったが、何よりもzineとリトルプレスの数に驚いた。

「こんなにたくさんの人が本を創って売っている」

知らなかった世界だが、もう知ってしまった。
日本だけでなく、世界中のどこかで誰かがzineを作って出版している。
そんなにたくさんいるんだったらやってみようか。
zineの存在みたいにゆるくてどうしようもなく勝手気侭な自分だけのレーベルを作って遊んでる、そしてそのレーベルを作るのに一年ほど掛かってしまった、そんなどうしようもない大人とゆるいレーベルがあってもいいかなと。

そんな感じで、はい、はじめます。



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