「ねぇ、あなたはどこに向かって歩いているの?」
「僕が行きたい所だよ」

「それはどこにあるの?」
「この箱庭の果て、そう最果てにあるんだ」

「箱庭だなんて!バカみたい!最果てなんてあるものですか」
「まるで世界の全てを見てきたような口ぶりだね」

「この世界が箱庭だなんて!」
「ああ、君。羊の数を数えるだけじゃ、いい夢は見れないんだよ」


2015-09-19

第三回文学フリマ大阪に出店します

2ヶ月前に意気込んでいたのが随分と昔のような気がする。
僕はデスクのカレンダーを眺めて小さなため息をついた。時間が過ぎるのはあっという間だな。
おだやかな日差しの中を涼しい風が吹いている。

2ヶ月あればしっかりしたものが出来る。
ハピ兄さんとの「たこ焼きもん次郎」、パトラ嬢との「似非文学」。
2つのコラボもきっと上手くいくだろう。そう僕は計画していた。

が、いい状態とまずい状態に見舞われた。

いい状態とは三人ともそれぞれの仕事が忙しくなったこと。
フリーランスにとってこれは大変ありがたい状態だ。まずい状態とは忙し過ぎて文フリの作品制作に着手出来ない状態だ。気がついたときには8月も終わろうとしていた。相変わらず忙しい状態は続いていた。

直接顔を合わせてのミーティングは諦めて、メールやメッセンジャーを使ってやり取りをした。
この1週間の濃度は尋常ではなかった。

予定していた作品形態とは多少変わったところもあったが、明日はいい感じの文フリになりそうだ。
僕は忙しかった夏を思い出しながら、明日の準備をしている。

仲間5人でこの3つのブースにおります。

E-12「玉ネギ頭のネコ娘。」
E-13「37+c」
E-14「Trigger」

E-13「37+c」は私の個人的なzineと上記のコラボ作品を2点置いています。
E-14「Trigger」はアートブック「17+C」とフォトグラファー西村さんの作品を。
E-12「玉ネギ頭のネコ娘。」Triggerでイラストを担当する清水さんのブースです。


第三回文学フリマ大阪(→公式サイト
2015年9月20日(日) 11:00~17:00 
堺市産業振興センター イベントホール 
地下鉄御堂筋線「なかもず駅」、南海高野線「中百舌鳥駅」徒歩3分 
一般来場者は参加費無料

2015-07-18

第三回文学フリマ大阪に向けて

昨年に続き、「第三回文学フリマ大阪」出店します。

前回はTriggerとして出店し、そこに個人の本「佐世保ノスタルジア」を出した。
今回はクリエイター仲間を巻き込んでコラボをメインに出します。
ライター仲間のパトラ嬢と出す文芸ペーパー『似非文学』、イラストレーターのハピ兄さんとあのぽしゃったコンテンツの絵本を出します。
もちろん個人的に作った「佐世保ノスタルジア」も置きます。「37+c」で出店します。

あと二ヶ月か。。。ガリガリ書くぞ!

2015-03-20

マチオモイ帖「佐世保帖」


時々、1999年頃を思い出していた。

長崎県、佐世保市にいたあの頃。

空気の質感、だんだん聞き慣れていくイントネーション、
埃っぽい学生アパートの部屋、海の見える小さな街、
愛想のいい人たち、少し緩めの感覚、モラトリアムの日々。

思い出すたびに、心の端っこが「キュッ」と摑まれる。

馬鹿みたいに仲間と笑い合った
日が沈んでもまだベンチで喋ってた
頭がおかしくなるほど将来を考えた
死はいつもすぐそばにある事を知った
誰かのアパートに集まっては朝まで酒を飲んだ
恋人が去った後の虚無感に包まれた
この日々がいつか終わる事実から目を背けた
取り憑かれたように駄文を書きまくった

あの街の中で
知らない間に大人に近づいた

あの街を離れて
いつの間にか大人になった

記憶は断片化されて、手のひらからこぼれ落ちて行く

この手に残った記憶の残骸は あまりに美しくて
この胸に抱いた記憶の残骸は あまりに愛おしくて

バラバラの断片を集めて
もう一度「再構成」してあげる

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もう二度と訪れる事の出来ない
『1999年の佐世保』を想う

2014年に作ったマチオモイ帖
『佐世保帖』

今年開催されているマチオモイ帖にも出展しています。



入り口を入って左側、「九州エリア」の本棚内です。
どうぞ椅子に座ってゆっくり読んでみて下さい。

大阪エリア(壁側にある縦型の本棚)には
私が文章で参加しているアートユニットTrigger
『蜆楽奇譚帖(けんらくきたんちょう)』が置いてあります。



美しい絵と写真のコラボです。こちらもぜひ。


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私のマチオモイ帖「日本中がマチオモイ2015」

【展示日程】
2015年3月6日(金)〜29日(日)(会期中無休)
平日:11:00〜21:00 土日祝:11:00〜19:00

【会場】メビック扇町
大阪市北区扇町2-1-7 関テレ扇町スクエア3F
http://www.mebic.com/event/5026.html

【入場料】無料

→マチオモイ帖公式サイト
http://machiomoi.net/



2015-03-11

「歩いている」

私は森の中を歩いている。

緑の木々から差す木漏れ日を浴びて、ふと思う。

私はどこに進もうと思っていたのだろう。
これは果たして道なのだろうか。
なんとなくの方角は分かっている。
だけどそっちに向かうのが「正しい」のか、
それとも「間違っている」のか分からない。

私は浜辺を歩いている。

乾ききった流木を横目に波の音を聴き、ふと思う。

私はどこに進もうと思っていたのだろう。
どこまでも続く砂浜と先のイメージすら出来ない海に
終わりはあるのだろうか。
浜辺の砂の一粒と海中で波が作る泡粒に思いを寄せる。
彼らはどこに行くのだろう。

私はどこに行くのだろう。

どこかで鐘の音が聞こえる。
誰かが大きなバイクに乗っている。
足下を羽のない黄金虫と妖精の女の子が駆け抜けた。
私はポケットの中で冷えた鋼鉄の感触を確かめて空を見上げる。
どうやらスターシップは墜落したらしい。

私は立ち止まり、自分の歩いてきた道を思い返す。

どこかでパレードの音が聞こえている。
オレンジ色の猫が静かに笑って頷いた。

私は歩いている。

2014-10-17

書きチラシ

第二回文学フリマ大阪に「37+c」のチラシを持っていった。これといって告知する事もなかったのだが、何かを無料配布したいという欲求はなぜだか出店を決めた当初からあった。「37℃の揺らめき」というタイトルで掌編のような散文を書いて配布してみた。

A4の紙を折り畳んだだけでzineとはいえない、さらに写真やイラストもない、まさに「書きチラシ」。テキストを書いてイラレでレイアウトして一旦プリンターで出力。それをハサミでセンテンスごとに切って別の紙に糊で貼る。セロハンテープで固定する。1行カットして手書きで書き入れる。

で、それをダイソーの5円コピー機でコピーする。試し刷りはなんだか薄い・・・。濃度MAXに設定してもう1枚試し刷り。お、ちょっと陰影がついた。もうちょっと荒くても良かったな。当日足りなかったら嫌なので500円投入して100枚コピー。持ち帰ったらひたすら折る。




文学フリマ当日は「これ貰っていっていい?」って持ち帰ってくれる方がチラホラいて、アレ読んだ人どう思うのかなーと考えたりして楽しかった。まあ、でも、その、・・・ちょっと作り過ぎたかも。当日は結局10数枚持っていってもらえただけで、うーんな感じ。やっぱ手に取ってもらうと言う意味で、イラストや写真のビジュアルって必要なのかなぁ。来年への課題だなぁ。

それでも目にとめて興味を持ってくれて持ち帰ってくれた皆様には大変感謝です。80部ほど残っているので直接会える人にお渡しして読んでもらおうと思っています。