「ねぇ、あなたはどこに向かって歩いているの?」
「僕が行きたい所だよ」

「それはどこにあるの?」
「この箱庭の果て、そう最果てにあるんだ」

「箱庭だなんて!バカみたい!最果てなんてあるものですか」
「まるで世界の全てを見てきたような口ぶりだね」

「この世界が箱庭だなんて!」
「ああ、君。羊の数を数えるだけじゃ、いい夢は見れないんだよ」


2015-09-21

第三回文学フリマ大阪に出店しました

いい一日だった。

物書きを続けていて、心の底からよかったと思った。

そんな第三回文学フリマ大阪だったんだ。

昨年、第二回文学フリマ大阪にTriggerとして出店。西村嬢と二人で並んで、ワクワクしながら人前に出て、ドキドキしながら人と話して、1冊売れたら二人で喜んだ。来年は仲間のクリエイター誘ってブース横並びでやりたいねって言いながら帰った。

そして今回。「Trigger」ブースとして西村嬢、「37+c」ブースとして僕とハピ兄さんとパトラ嬢が、「玉ネギ頭のネコ娘。」ブースとして清水っちゃんが出店。この3つを関連ブースとして申請し、本当に横並びで出店しました。

今回は前回と同じくテキストzine「佐世保ノスタルジア」とフリーチラシ「37℃の揺らめき」を。そしてハピ兄さんとのコラボ作品「たこ焼きもん次郎」の予告的なポストカード3種類。さらにパトラ嬢と創刊した1枚タブロイド紙「似非文学(えせぶんがく)」を。

それぞれが接客したり、仕事の話しをしたり、雑談をしたり、大笑いをしたり、いつもの仲間としてのいい空気で出店していました。本も何冊か売れ、チラシも持って帰ってもらったりしていました。

「あの!すみません!」

その女の子は突然やってきました。
「言いたいことがまとまっていないんですけど」と言ってから、「さっきもらったチラシを読んだんですけど」「本当にすごい良くて」「あたしにとってツボで」「読んだあとにわーってなって」「言わなきゃって思って」「特攻しちゃってすみません」「すごい良かったです」と言ってくれた。

僕は年甲斐もなくびっくりしてしまい、気のきいたことも言えずに「ありがとう」「嬉しい」を繰り返していた。しばらくして、あの子は凄い勇気を振り絞って来てくれたんだと感じた。恥ずかしいし帰ろうかな、でも言いたいなと逡巡して、言おうと決めて「特攻」してくれたんだ。言いに来てくれたお礼に、その子の買ってない本をプレゼントしようと思って会場中を探したがどこにもいなかった。

そしてイベントも終わりが近くなった頃、同じように出店していた詩人の男性が話しかけてくれた。

「このチラシ、新刊ないですか?」

これしかないことを詫びて色々話を聞くと、彼は昨年の文フリでこのチラシを持って帰り、まだ手元に置いていてくれていると言う。同じように文章を書いている人が気に入ってくれて新刊を求めてくれている。

物語のような詩のような散文。A4のコピー紙で作った小さなチラシ。それがあの子や彼に伝わって、またその気持ちを伝えてくれた。

そして、はにかみながら「オレはこの人の文章のファンやねん」って言って本とタブロイドを買ってくれたKさん。言葉に出さない気持ちがとてもとても嬉しかった。

初めて出会うたくさんの方々が、作ったものを眺めて、手に取ってくれた。そして「これください」と言って買ってくれた方もいた。本当にありがとうございました。気に入ってもらえると嬉しいです。

いいハートを持った仲間に囲まれて、いいものを作って、いい言葉に包まれる。

物書きを続けていて、心の底からよかったと思った。

いい一日だった。


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