「ねぇ、あなたはどこに向かって歩いているの?」
「僕が行きたい所だよ」

「それはどこにあるの?」
「この箱庭の果て、そう最果てにあるんだ」

「箱庭だなんて!バカみたい!最果てなんてあるものですか」
「まるで世界の全てを見てきたような口ぶりだね」

「この世界が箱庭だなんて!」
「ああ、君。羊の数を数えるだけじゃ、いい夢は見れないんだよ」


2013-10-17

peter caxton・1


自分の文章だったり物語だったりをこうしてブログサイトで綴っていくからには、彼のことを避けて通ることは出来ないだろう。

ピーター・キャクストン。

今ではどこでどうしているのか、生きているのか死んでいるのかさえも分からない。でも、きっとどこかの酒場でまた誰かに嘘か本当か分からない話をしてニヤリと笑っているんだろう。喋り過ぎて温くなったビールを不味そうに飲むんだろう。そしてグラスを持つ反対の手でカウンターを鍵盤に見立てて叩くんだろう。いつもそうだったし、そうであって欲しいという僕の願望かもしれない。

音楽の世界から言葉の世界にやってきた詩人、ピーター・キャクストン。
嘘と真実が渦巻く言葉の世界に僕を引き込んだのは、彼だった。


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